IT業界と労働基準法

今年の目標の1つに社会保険労務士の資格取得をあげていますが、昨年末から試験対策を始めており、労働基準法を体系的に学習しました。

労働基準法は1947年に制定された法律で、製造業の労働者を想定して作られた部分も多いということで、IT業界の働き方の実情に即していない部分がある、というのは自分も感じるところです。

一番大きな違いは、製造業は労働時間と成果(売上)が比例しますが、ITの開発者は比例しないことが多いです。極端な例として、ある機能を実装するのに丸1日掛かっても方法が分からず(1日で成果ゼロ)、別の方法を試してみたら5分で実現できた(5分で成果100パーセント)ということもあるわけです。

 

この問題に、2つの方向からアプローチが進んでいるという認識です。

ひとつはITの開発においても、労働時間と成果が比例するように業務の進め方を変えていく方向。事前の調査やプロジェクトマネジメント(PM)に注力して、要件を実現できる実装方法とその工数をあらかじめ確定させておく方法です。

未経験の技術を用いるプロジェクトや、一定以上の大きさのプロジェクトでは、すべての実装方法を確定できず工数が適切に見積もれず、見積を大幅に超えたり最悪の場合実現できなかったりするリスクがあります。

もうひとつが、時間ではなく成果に対して、労働量を制限していく方向。昨今の成果給やホワイトカラー・エグゼンプションの考え方はこちらの方向ですが、反発も大きくなかなか実現には至っていません。

実情に即していないと言えども、IT開発企業も労働基準法を遵守しないといけないし、他方では収益を上げて会社を維持することが求められています。今後も問われ続ける課題でしょう。